全てのものは歌を歌っている

f:id:happycareer-eu:20210201022716j:plain

かつて大学オーケストラでワーグナーの歌劇「リエンツィ」序曲を演奏した時、ホールのお客さんからの反響がやたら大きかったことがありました。
その演奏会では他の曲も演奏し、リエンツィは題名通り序曲だったのですが、一番拍手が大きかったのもリエンツィ。終了後、指導の先生にこう云われたことがあります。

「皆さん、どうしてリエンツィが好評だったかわかりますか?ん?(一同沈黙)
 それはですね、音が大きかったからですよ。ワッハッハ」
 
当時は「え???音が大きいだけで人って感動するの?全くもって意味不明だ」という感じだったのですが、実は眠りの時代は、意識を呼び覚ます衝撃的な音や刺激から感動が生まれることがありました。なぜかって?それは、意識がびっくりして今ここに戻ってくるからです。
今ここに戻ってくると意識の内奥に開かれた時空間が広がり、幸せのエネルギーが差し込みます。そして人は「生きている」と実感することができるのです。
つまりリエンツィの音楽から感動が生まれたのカラクリは、聴衆の意識が大きな音にびっくりして今ここに戻ってきた結果、そこに感動が起こってきたと言えるでしょう。
 
また意識が開いてくると、五感認識が立体的になり、物事を包括的かつ全体的な視点からとらえるようになると感じています。
例えば最初は美味しければ何でも良いと通っていたレストランから、お店の雰囲気やスタッフさんの対応、さらにはその背後にながれるフィロソフィー(理念や哲学)までを感じとるようになるわけです。
近年は、こうした変化(トレンドの変化とは即ちわたしたちの意識の変化ですが)を敏感に察知したベンチャー起業からWIN-WIN-WINのビジネスモデルでつくられた商品が販売されているのを見かけます。
 
意識が1点にばかりフォーカスしていた眠りの時代は、それを呼び覚ますのに強い刺激が必要でしたが、開かれてくると、今度は誰もが些細な違いを敏感に感じ取れるようになってきます。レストランでは料理だけではなく、場所やスタッフさんの放つエネルギー(波動)、全てのものから影響を受けている自分自身に気がつき始めるのです。
 
仕事や日常生活では、これまでは無視することのできた違和感をもはや無視できなくなってしまった自分に気がつき始めます。これは皆さんの意識が開いてきた結果、これまで意識の内奥で捉えていた些細な違いをより敏感に感じ取れるようになったわけなので、違和感の正体はわがままではなく、意識の成長にあったと捉えてみてください。
 
音楽の話に戻るなら、実はわたしたちは五感で認識できる表面的な音だけでなく、魂そのものの放射から影響を受けています。
そして、意識が一点にフォーカスされがちだった眠りの時代は聴覚から思考を突破することでしか感動を与えることができませんでしたが、今後は魂の放射から感動を受けるケースというのもふえてくるのではないかな、と感じました。



魂の放射というのは、その人が自分を生きようとした結果起こってくるものです。
そしてわたしたちは、誰もが意識の奥底では目醒めを望んでいますから、その生き方から放たれる放射に感動するのです。
 
これは音楽だけでなく、言葉による発信も、そして本当は日常生活の動作一つ一つから放たれる波動も同じです。
全てのものは歌を歌っているのです(=自分独自の波動を放っている)
 
そしてあなたの話している言葉ではなく、弾いてる曲でもなく、あなたの放っている波動が真に相手の受け取っているものなのですね。

 


▼ 現在受付中の講座はこちら